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宝塚歌劇星組公演 [2002年 宝塚歌劇]

2002年11月30日送信

こんばんは、とろりんです。

「行った気になる、観た気になる」、情熱とツッコミ満載の、カンゲキ通信のお時間です。(愛読者M一家の皆さん、ナイスキャッチコピーをありがとうございました。早速使わせていただきますっ)

今回は宝塚歌劇星組公演、ミュージカル・ロマン『ガラスの風景』とレビュー『バビロン―浮遊する摩天楼―』を観劇。

この公演は星組トップコンビ、香寿たつきと渚あきのサヨナラ公演でもあります。さらに、夢輝のあ、朝澄けい、鳴海じゅん等の若手男役スター、娘役ホープの秋園美緒など、将来を嘱望されていた若手スターの退団も多数発表されました。

これほど多くのスターが一気に退団してしまうのは、近年なかったことだったので、初日前から歌劇ファンの間で、衝撃とダメージの走りまくった公演でもあります(苦笑)。

では、ミュージカル『ガラスの風景』からまいりましょう。脚本は柴田侑宏、演出は謝玉栄(しゃ・たまえ)。出演は、上記星組生に加え、安蘭けい、真飛聖、仙堂花歩、他。専科より初風緑、未沙のえる、鈴鹿照。

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舞台は北イタリアの高級別荘地。そこにはヨーロッパの各地から、名だたる著名人、大富豪が集まり、夏の間だけ「小さな社交界」が形成されます。ある日、その土地で殺人事件が発生し、1人の令嬢が容疑をかけられます。

報せを聞いて、嫁ぎ先のパリから現地へ駆けつけた令嬢の姉、ローラ(渚あき)は、不思議な魅力を漂わせる貿易商の青年、ジョーイ(香寿たつき)と出逢い、互いに惹かれあうようになります。

想い合っているのに、自らの立場の前に立ち尽くす2人。事件をきっかけに、静かに、しかし確実に変化する人間模様。密かで激しい大人の恋、人々の想い、そして事件は、やがて「アリヴェデルチ」の歌と共に、それぞれの結末を迎えます…。

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全体的には、サスペンスとヒューマン・ドラマ、そしてラブロマンス、この3つの構成軸が、上手くかみ合ってなかったなー、という印象です。サスペンスの比重が大きすぎて、残り2つの軸が中途半端になってしまった印象を受けました。

事件の伏線と展開に重点が置かれすぎて、周囲で展開する人間ドラマが散漫になり、希薄になってしまったのが残念でしたねー。登場人物がそれぞれ魅力的だっただけに。

特に主役コンビの恋模様が、単なる物語の彩りのようになってしまったのは、かなり痛手…。この2人の想いの行方をより前面に押し出した方が、歌劇らしい、重厚なラブロマンスに仕上がったのではないでしょうか。

でも、初日開けてまだやっと1週間ですし、何より出演者それぞれが非常にしっかりと役を創り込んでいる、というのがよく伝わってきたので、これからどんどん密度の濃い舞台になりそうな予感がしました。

***

ショー『バビロン』は、荻田浩一の作・演出。

何といきなり、プロローグからタカラヅカ名物、大階段が登場!!(←普通は最後のパレードでしか使用されません)ヅカファン歴の長い私も、これは初めての展開だったので、驚愕。「おおおおお」と人目もはばからず声に出してしまいました(←馬鹿)。

全体的には、前半はまったり~と展開し(←ちょっと退屈)、後半からいきなりエンジン全開!!と思った瞬間フィナーレでした(笑)。

「単調やな~…しかし安蘭けい、何であんなに歌上手いんかなぁ…」と思いつつも、ボーッとオペラをのぞいている内に、(退屈でもオペラは外さない馬鹿ファン・とろりん)「あ、あれ?何か面白くなってきた?何か盛り上がってきた!?よっしゃ!!」と、客席で気合いを入れなおした瞬間、「えっ…、これで終わり…??」って感じでした。エンジンかかるのが遅過ぎだぞ、バビロン!!(笑)

前半は、ちょこちょことセリ上がりや盆回りはあるものの、舞台が全てホリゾンド(舞台の一番奥)いっぱいに使用したままで進むんですよ。大掛かりな舞台転換がなかったのも、単調な展開に見えてしまった一因ではないでしょうか。やっぱりショーは、歌と踊りだけで進むから、単純な展開はしんどいですね~。場面ごとにメリハリをつけて欲しかったですね。

でもフィナーレの、白燕尾&白ドレスの群舞は、目の醒めるような美しさでした。振り付けや歌がもろに「サヨナラ公演」を意識してて、確信犯的演出と分かっているのに、思わず目頭を押さえる単純な親心全開ファン、とろりん(笑)。

次回はいよいよ(ようやく?)「待ってましたっ!!」、南座顔見世興行(4代目尾上松緑襲名披露興行)です!!その前に、宝塚総括レポが届く予定です。予定は未定ですが(笑)。お楽しみに…しててくださると、嬉しいです…(何故か弱腰)



今も本家『カンゲキ通信』のキャッチコピーとして使われている「行った気になる、観た気になる」というのは、実はこのころに誕生していたのです。

考案者は、当時私が家庭教師をさせてもらった御縁でお付き合いのあったM家。M家のお嬢さんとは年に何回か、お手紙やメールのやりとりをさせてもらっています。彼女も今では立派に社会人として頑張っています。

M家の皆さん、また機会があったらお会いいたしましょうね~!!(超私信)

さてさて、このときの星組公演は、香寿たつきと渚あきのトップコンビに加えて毬丘智美、夢輝のあ、秋園美緒、鳴海じゅん、朝澄けい、高宮千夏の8名が同時退団するという、星組ファンとしてはなんともやるせない公演でしたね~。

いやー、今こうして名前を眺めてみても、衝撃的な名前揃いです。
昨年の宙組退団者なみの衝撃ですな…。

レポでは、なんかまったりとか退屈とかエンジンかかるのが遅いとか散々な書きようですが(若気の至り)、今思い返してみると、大人のトップコンビにふさわしい、ワインのように円熟した、落ち着いた作品だったな~。

ショーは、やっぱりプロローグから大階段!そういう演出はこれまでも何度もされていますが、私がその演出を目の当たりにしたのはこの作品が初めて。いや~、興奮しましたね~☆

次回は、星組トップコンビを送るレポをアップ予定です。その後、アーカイヴ初登場
の歌舞伎レポをアップ予定!気長にお待ちください(笑)。


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