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遥かなる旅路の果てに-香寿たつき&渚あき サヨナラに寄せて- [2002年 宝塚歌劇]

2002年12月28日送信

♪ながーいー旅路ーのーはーてにーつーかんだーあなーたの愛ー♪
(Byエリザベート「愛のテーマ」)

皆様、こんばんは。とろりんです。年末です。年の瀬です。大掃除です。

毎年とろりんの大晦日は、近所のスーパーへ、母が買い忘れたものを買い足しに行き、(これがかなりの量になる。お、お母さん、しっかり…)お風呂掃除に命を賭け、コタツでボーっとしながら紅白歌合戦→ゆく年くる年を見て、一年を思い出す、というのがパターンです。

さて、去る12月24日。

「宝塚きっての熟年コンビ」と称された(笑)、星組トップコンビ、香寿たつきと渚あきが宝塚大劇場にお別れを告げました。

今日は、2人の思い出を徒然と書き記したいと思います。

私が香寿の名前を知ったのは、初めての大劇場観劇の時。花組公演『秋…冬への前奏曲』で、当時の花トップ、大浦みずきの付き人のような役をしていました。芝居のきっかけを作る役どころで、しかもソロもあり、初心者から見たら、かなり実績のあるスターさんなのかな、と思っていたら、何と当時、研5。当時から、芝居も歌も、かなり巧かったです。

また、次の花組公演でも、トップ、2番手(私にとって永遠のスター、朝香じゅんさん)と共に並ぶ役どころをもらっていて、新公よりも本公演で良い役がついている、という印象で、初心者から見ても「この人はものすごく期待されているんやなー」と思わずにはいられませんでした。

その香寿が、花→雪→花→雪→専科→星、という、流転のジェンヌ人生を送ろうとは、誰が予想していたでしょうか(笑)。

各組に、それぞれの「カラー」がある中で、香寿の存在感というのは、結構独特ですよね。歌、ダンス、芝居、全てに一定の高いレベルを持ち、組のカラーに染まることの無い、独特のオーラを持っている。香寿の相手役が、ずっと定まらなかったのも、香寿と似合う娘役がなかなか居なかったからではないでしょうか。

そして、香寿のお嫁さんとなったのは、史上最年長での娘役トップ就任となった、渚あきでした。

渚もかなり紆余曲折のジェンヌ人生でした。色んな意味で「ファンの予想を裏切り続けた娘役」とも言えるでしょう。

「次は渚(がトップ)だろう」という大方のファンの予想は、何と3回にわたって覆されたのです。

それでも淡々と、ひたむきに、自分の与えられた役を勤め続けた渚、そして香寿。そんな2人に、歌劇団は「運命の再会」をプレゼントしたのですね。

1993年『セ・ラムール』で、香寿はバウ初主演。その時、相手役を勤めたのが渚。(余談ですが、この時2人の子供役を演じたのが安蘭けい)

フランスの港町で切ない別れを告げた二人は、8年後、星組という新しい場所で、運命の再会を果たしたのですね。

渚が星組トップ娘役に決定した時も、ファンの間では「もっと若手の娘役を」という声もありましたが、私個人としては「あっきーくらいしか居ないんじゃないの?」という感想でした。

上述したように、香寿の舞台は、良い意味でアクが強いというか、独特の渋み、コクみたいなのがあると思います。香寿の相手役になる、というのは、その独特のコクにうまく調和できる人でないと、共倒れする可能性もある。色んな男役と組んできた実績、それぞれの男役の空気に溶け込む実力をある程度蓄積した人でないと、香寿の相手役としては太刀打ちできないだろう、という考えが、私にはあったので、経験重視とも言える、この決定には納得でした。

2人とも、本当に遠回りの道程を歩んできたわけですが、最後は、お互いに想い合える相手とめぐり会えて、ホント良かったね…と、思った時に、ふととろりんの頭に浮かんだのが、記事のタイトルと冒頭の歌(笑)。(ちなみにタイトル名は、1987年の花組公演より。香寿も新公に出演してます)

本当に2人のタカラジェンヌとしての道程は、時に理不尽とも取れるほどに、厳しく、長かった。それでもひたすらに、ひたむきに与えられた役目を勤め続けてきた香寿と渚を、歌劇団は切り放しはしなかった。

まだまだこれから、という若手の生徒の、早すぎる退団が続く最近の歌劇。トップというゴールだけでなく、2人の宝塚歌劇にかけた思い、というのを、若手の生徒にはもう一度見直して欲しいな、と思います。

まだまだ2人は来年の東京サヨナラ公演もありますし、渚はディナーショーも控えています。(タイトルは「渚あきミュージックサロン」。…私は最初、あっきーの退団後の初仕事かと思いました。スカステあたりでやるのかと←笑)

最後の最後まで、輝き続けてくれることをお祈りしつつ…。

昨日の「ミュージックステーションスペシャル」で、みきてぃー(藤本美貴)のお星様刺繍つき赤スパンの衣装を見て、「あれ、『LUCKY STAR!』であっきーが着てそうやん!!」と、友人(ヅカファン)と共に、意味不明なところで盛り上がっていたとろりんより(笑)。



あっきー、先日「水戸黄門」に出演してましたね~。鎌倉の駆け込み寺・東慶寺に駆け込む女性の役で、助さんとも若干いい感じになってました(笑)。

香寿と渚というと、私は『プラハの春』が印象的です。話題になった同名小説を舞台化した作品で、衣装デザインをジャン・ポール・ゴルチェが担当したんですよね。

プラハの春

プラハの春

  • 作者: 春江 一也
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1997/05
  • メディア: 単行本






モルダウの流れのように力強く温かな母性を感じさせる渚のカテリーナ、理想と情熱の中に優しさに満ちた香寿の堀江亮介…とても素敵でした。

上の文章で、「渚はトップ娘役になるタイミングを3度外された」と書いておりますが、2度は思い当るのですが、もう1つのタイミングが今となっては思い当りません(汗)。どの契機をカウントしたんだろうか、わたし…。

渚の舞台で印象深い役のひとつに、『ミケランジェロ』(2001年)のルイーザ役があります。ミケランジェロ(愛華)の創作活動に転機を与える娘の役。常に花嫁衣装で、ふとしたときに浮かび上がるように登場します。その無垢な姿と、柔らかな笑顔が本当に美しくてあたたかくて、好きでしたね。彼女が劇中で歌った「愛 アモーレ」は、今でもお気に入りの歌のひとつです。

香寿も、本当に苦労の道のりでしたが、『ゼンダ城の虜』(2000年)での悪役や、『花の業平』(2001年・大劇場公演)の藤原基経など、鋭く男としての野心あふれる役を演じさせたらピカイチでした。ああいう濃さと深さをもった男役さん、最近は少なくなってきたように思います。

タータンにあっきー、これからも頑張ってくださいね!!(突然ミキティとか出してきて、本当にすみません)


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