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タカラヅカ・クロニクル2002 -後編・スター部門- [2002年 宝塚歌劇]

2002年12月11日送信

皆様、ご休憩は十分にされましたか?(笑)。まだまだ続く『タカラヅカ・クロニクル2002』。後半戦、役者(スター)部門でございます。

スターさんは、

☆主演男優賞(笑)と女優賞⇒トップスター&トップ娘役
☆ベストカップル賞⇒トップコンビ
☆助演男優賞と女優賞⇒とにかく、すんばらしい舞台を見せてくれたスターさん
☆敢闘賞⇒入団8~10年目の中堅スター
☆新人賞⇒入団7年目までの若手

と言う順番で。

人を語るときには、やはり贔屓目が出てしまいます。なので、エラく偏った選出になることでしょう。
悪しからずご了承ください(笑)。

◆主演男優賞は…む、難しい…(笑)。

しかし敢えて挙げるとすれば、宙組トップスター、和央(わお)ようか

トップに就任して3年目に入り、今年は『鳳凰伝』一作の登場でしたが、それでも一番インパクトが強いですね。

『鳳凰伝』では、一目で惹かれた女の愛を得るべく、命がけの問答に挑む若き王子を、気品を残しながらも熱い血を通わせて好演。並演の『ザ・ショーストッパー』でも、一人の女の為に身を狂わせて行く1人の男の運命を、歌に乗せ、ダンスに乗せて、見事に魅せてくれました。

彼女はもともと、長身で、歌唱力に優れている、という恵まれた天性を備えているのですが、その天性に、さらにトップスターとしての風格が、ぐぐ――んと出てきました。スポットライトを浴びるようになって、どんどんその輝きが増してます。まさに今、充実期ですね。

◆主演女優賞は、誰が何と言っても、花組トップ娘役・大鳥れい

残念ながら、来年早々の退団が決まっておりますが(涙)、この人の、今年の活躍ぶりは、素晴らしかったー。まさに縦横無尽(笑)。

『琥珀色色の雨にぬれて』のヒロイン、シャロン役は絶品でした。サヨナラ公演となった『エリザベート―愛と死の輪舞(ロンド)―』タイトルロールでも、死と生、ギリギリの線を感じさせる、張り詰めた空気を漂わせた歴代のエリザベート像とは一味違った、ただひたすら、自由を追い求め、闘いを続ける生命力をリアルに感じさせる、新しいエリザベートを創りあげたと思います。

◆ベストカップル賞は、お披露目公演がそのままサヨナラ公演となってしまった、雪組トップコンビ、絵麻緒ゆう&紺野まひる

『On the 5th』の、セントラルパークでのデュエットダンスは、心に残る名場面となりました。

2人が並んだだけで、なんともいえない、温かい空気があふれるんですよ。たった1作だけのコンビだったのに、何年も前から組んでいたような自然な温かさがありました。

「二人並んだ時に、その魅力が最大限に発揮される」という、トップコンビとして最も大事な要素を、最初から備えていたといえます。だからこそ、もう2,3作、このコンビを観ていたかったなぁ、と今でも残念に思います。

◆助演男優賞は、『追憶のバルセロナ』(5-7月・雪組@大劇場)でアントニオという役を演じた、専科・成瀬こうき

…この方も、この公演で退団…。今年、退団者多すぎ…(涙)。

フランス占領下のスペイン。生き延びるために、フランスに忠誠を誓うスペイン貴族・アントニオ役。

生きるためとはいえ、心を偽って祖国に背を向けた苦しみ、愛した人を守るために、自分の信念をねじまげて生きてきた男の計り知れない深い苦悩が、その押さえた演技からすごく伝わってきました。非常に手堅い演技を見せてくれる人だっただけに、退団が惜しまれます。

◆助演女優賞は、誰が何と言っても、月組の霧矢大夢(きりや ひろむ)。

本当は男役さんなのですが、お正月公演のブロードウェイ・ミュージカル『Guys and Dolls』(月組@大劇場)で、14年間も結婚を先延ばしされているショーガール・アデレイド役を、キュートにテンポよく演じきりました。

霧矢の、この快心の助演が無ければ、久々のブロードウェイ・ミュージカル再演の成功は、ありえなかったでしょう。安定した実力に裏打ちされたこの名演には、「今すぐブロードウェイのオリジナルに、胸を張って持っていける好演」という、ファンとしては大変に嬉しい評価も聴くことが出来ました。

◆敢闘賞は、入団9年目の花組・彩吹真央

『月の燈影』主役・幸蔵、そして『エリザベート』の皇太子ルドルフ役、ともに、素晴らしい歌唱力だけでなく、非常に完成度の高い巧演をみせ、「この人だからこそ」と思わせた名品でした。

◆新人賞は、男役は花組の蘭寿(らんじゅ)とむ。娘役は、宙組の彩乃かなみ

…最後に、ついにファンモードが炸裂しましたっ(笑)。

●蘭寿は、『月の燈影』で、とろりんさんの心、一気にわしづかみ(笑)。彩吹とのダブル主演で、粋で気風の良い江戸の若者を、伸びやかに清々しく演じました。

彼女はまだ研7という若さですが、演技の「間」が、非常に良いです。若手とは思えないほど。舞台での勘が、とても鋭い人だと思います。

『エリザベート』新人公演では、現時点での克服すべき課題を一気に突きつけられたようですが、真っ直ぐで明るい持ち味はそのままに、もっともっと成長して欲しい人です。

●彩乃は、可憐な容姿と美しい歌声で、入団直後から期待されてきました。

しかし、この1,2年、「どんどん役をもらっているのに、どれも同じ印象しか残らない」「どんな役をしても役の印象ではなく、『彩乃かなみ』の印象しか残らない」という、若手娘役によくあるジレンマに陥っている感じがしました。

その殻を打ち破ったのが、この夏の『鳳凰伝』での、奴隷・タマルの演技。清らかな歌声と共に、まさに「魂心の演技」を見せてくれました。今、彼女は舞台上に「彩乃かなみ」としてではなく、「タマル」という1人の娘として息づいている、と実感する演技でした。

彩乃が別の場面で歌った子守唄がこれまた好評で、私の周囲には「あの子守唄を、毎晩かなみちゃんに歌ってもらいたい」という人が、私を含め現在2人います(笑)。

…さて。
そろそろ本気でまとめに入りましょう。

来年の宝塚歌劇は、来る創立90周年を次の年(2004年)に迎え、その原点に立ち返る意味でも、日本物の上演が多く予定されています。

上半期4公演中、3公演に日本物がラインナップ。(並演に洋物もありますが)王朝物、舞踊物、慶長物、それぞれ1作ずつ。ここだけとってみても、宝塚歌劇のレパートリーの幅広さに感心しますよね。

どんな感じになるのか、全然分かりませんが、宝塚らしく、とにかく美しく、とにかく品格のある、華やかな舞台になることだろう、と今からワクワクしてます。

来年も「宝物にしよう」と思える、すばらしい舞台に出逢えますように。皆様にもそのような出逢いがあることをお祈りしつつ、ようやく締めくくりたいと思います(苦笑)。

長々の長文ご精読(?)ありがとうございました。
次回は「顔見世@京都南座」レポでお会いしましょう!!


スター部門も、やっぱり花組と宙組に偏り気味ですよね(汗)。作品部門とほぼリンクしています。ちなみに敢闘賞と新人賞は、彩吹真央と蘭寿とむを選出したいがために無理やり制定したんじゃなかったかな(笑)。

蘭寿については新人公演のことも言及しておりますが、コチラのレポは2本立てでございますので(爆)。お楽しみにお待ちください(?)。

きりやんのアデレイド!!すっごくすっごくキュートでした!大和悠河とのラブラブコンビぶりが微笑ましくてラブリーで、今でも鮮やかに思い出されます。そんな霧矢も、今年ついにトップスターに就任。…待ったなぁ…。

翌年(2003年)のラインナップを
公式サイトの公演バックナンバーでチェックしてみたところ、…ほうほう、なるほど~。ああ、あの作品はこの年だったのね~、と、ついつい懐かしさに浸ってしまいました。


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